カウンセリングのすすめ

心理カウンセラー小林宏の散文

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

聞くことの現実

言いたいことか分かってもらえる、気持ちが通じる、心が通うということは、誰もが望むことであり、日常生活においてもあらゆる人間関係においても計り知れない程有意義なことである。 しかし一般的な傾向として人の話を聞くとき、その人を分析したり、推測し…

人間理解~共感的理解とは

カールロジャーズが発見して体系化した来談者中心療法の中心にあるものは人間理解のひとつである「共感的理解」である。 これは「相手が言いたいこと分かってもらいたいこと訴えてることを、言いたいままに分かってもらいたいままに訴えてるままに理解する」…

人間理解~客観的理解とは

援助的な話し合いでは、相手の言うことを正確に聴くことがまず大事である。そして次に重要なことは正確に理解することである。 これは一般的に「人間理解」といわれる。 「人間理解」には全く異なった二つのタイプがある。そのひとつは「客観的理解」である…

正確に自分を語る

自分自身の中にある何かを再認識し実感し、その結果自分が変わる。 立ち直る、成長するためには自分の内面を見てそれを正確に語る場が必要である。 自分の内面を正確に見て語るということは、何も悩みや問題に直面したり、壁にぶつかったりした場合に限って…

成長するということ

問題や悩みを克服して立ち直り、人間として成長するということ。 それはこれまで自分には思いもよらなかったことに気付くとか、全く知らなかったことを知ることよりも、これまで考えや知識としてはわかっていたことや世間では誰もが口にするような当たり前の…

無条件の肯定的配慮

無条件の肯定的配慮とはクライアントがたとえどのような話をしたとしてもそれに対し肯定的な気持ちと関心を持って耳を傾けることが出来るという意味である。 これはなかなか難しい。しかし「無条件の肯定的配慮」が常に存在してなければカウンセリング関係は…

人間の潜在力への信頼

どのようなカウンセリングや心理療法であっても、クライアントが直面している困難な心の問題や悩みを克服し成長することを援助しようとするならば、そのクライアントが自らそれを成し遂げる潜在力や前進的傾向を必ず持っていると信頼するのが大前提になる。 …

強迫神経症

異常に手を洗ったり部屋をきれいにしたりという「不潔恐怖」や電車に乗れないといった「乗り物恐怖」は強迫観念からの強迫行動である。 本人にとっては全く不合理な無駄な行動だとわかりながら、しかしそれを抜きにしては一歩も前には行けない。 強迫神経症…

アイデンティティの確立

人間は生まれてから幼児期までの間に親との接触の中で、人間なら誰もが共通に持っている感覚や人間性を親と同一化するという過程で発達させる。これを「自己同一化」という。これにより人間として社会的適応をして生きていくための、人間なら誰もが共通に持…

アイデンティティクライシス

「自分には自分らしいものが全くないと思います。私は例えば友達に"あなた何色が好き?"といわれると、自分では何色が好きなんだろう?って思わないんです。この人は何色が好きなんだろう?この人は何色が好きだって言ってほしいんだろう?ってすぐ思ってし…