人間理解~客観的理解とは
援助的な話し合いでは、相手の言うことを正確に聴くことがまず大事である。そして次に重要なことは正確に理解することである。
これは一般的に「人間理解」といわれる。
「人間理解」には全く異なった二つのタイプがある。そのひとつは「客観的理解」である。
これは正確に聴いた事を基にしながら、その人の問題点、心の状態、解決策などを客観的に理解するということである。
その代表は問診、検査、診断、治療といった医療である。医師はミスが許されないため高度で専門的な知識や技術が必要になる。今日ではすべての検査結果が数値や映像で出てくるので判断ミスは起こりにくいと思われる。
それでは心理の世界での「客観的理解」はどうだろうか?
その代表は精神医学や臨床心理などである。しかし目に見えないものであるために、専門分野でも検査方法も少なく不確かになりがちである。それだけに心の世界の「客観的理解」は非常に難しい。
一見些細なことと思えるような心の問題であったとしても、それを正確に理解するには高度な専門知識、技術が実際どのくらい役にたつだろうか?
ここに来談者中心療法というカウンセリングが必要な理由のひとつがあるのではないか。