カウンセリングのすすめ

心理カウンセラー小林宏の散文

成長するということ

問題や悩みを克服して立ち直り、人間として成長するということ。

それはこれまで自分には思いもよらなかったことに気付くとか、全く知らなかったことを知ることよりも、これまで考えや知識としてはわかっていたことや世間では誰もが口にするような当たり前のことを、悩み苦しむ過程を通して改めて実感することである。

人間は問題や悩みに直面したり壁にぶつかった時、それは自分にはまだわからない事や知らない事があるからだと錯覚し、その答えを求めて「青い鳥」を探してさ迷い歩く。

しかし「青い鳥」など所詮どこにもいるはずがない。自分の悩みや問題を克服したり直面する壁を乗り越える答えは、必ず自分の心の中に存在しているからである。

幼少の頃ならまだしも、青年期にもなれば誰もがそうであると思う。

にもかかわらず人間がいとも簡単なことで迷い苦しむのは何故か?

それは「知ってる」ことと「心から実感する」ということは全く別のものだからである。

色々な本からの知識や人の話は自分の中の感覚や知識に照らし自分の内面を整理したり刺激する材料として活用できる。

本に刺激されたり人の講演を聞いて感動するということは、その体験や境地が理解できるということであり、自覚出来ようと出来なかろうとわかるだけのものは自分は持っているということだ。

人間が成長するということは、それまではただ単に知ってたりわかってたに過ぎなかったことの、その本当の意味を改めて実感するということである。
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