カウンセリングのすすめ

心理カウンセラー小林宏の散文

自分の力で立ち直らせる?

自分の身近にいる人が精神的不健康におちいったときなど、なんとかその人を救ってあげたい助けてあげたいと思う人は少なくない。しかしまさにズブの素人がこのような人を救う、援助者になるというのは、そうそう簡単なことではない。

もし素人が救えるとしたら、それは相手が泣こうがわめこうが全く動ぜず何をされようと心動かさず鷹揚に見ていられるというのが最低の条件になる。

それが相手がなにかあるとすぐにあれこれと気づかい、あれこれ小まめに手出し口出しするというように、下手に動けば相手の感情をただ刺激するだけで、救うどころか結果はかえって逆効果になってしまうのである。

何をされても動ぜず鷹揚でいられる人などいないのではないか?

人格障害の治療は、今日の精神医学の分野では最も難しいといわれている。

難しい分野の病気の人に対し、人情論から安易に抱え込むのは危険である。下手をすれば、人を救うどころか共倒れになりかねない。

一見非情のように思えても異常と思える世界では、やはり確かな専門家の判断を仰ぎ委ねる、そういう姿勢も大事である。
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